Parallels RAS Version 20 リリースのご案内

コーレル社(Alludoブランド)では、2024年10月末日に、Parallels RAS Version 20をリリースしました。2024年12月12日時点で、リリース後2世代の修正が入り、Version 20.1 – 25630をダウンロードサイトである Parallels My Accountページより入手することができます。

日本のお客様、販売パートナー様向け、または、導入検討をされていらっしゃる皆様へ、日本の皆様の仮想デスクトップ・仮想アプリケーション(VDI/SBC)環境での利用を想定して、お役に立ちそうな新バージョンの特徴をご紹介いたします。

コーレル本社より発表されております、リリース情報は、こちらのページに公開されております。

Parallels RAS Version 20リリース 紹介ページ

Parallels RAS Version 20 新機能紹介ビデオ(英語)

新機能について

1.クリップボード操作に関する追加機能(Version 19.4より)

以前より、接続元デバイスと、リモート環境の仮想デスクトップや仮想アプリケーションとのリモート操作のなかで、Parallels RASポリシー機能により、クリップボード機能を利用したコピー&ペースト機能の使用許可、拒否の制御ができておりましたが、多くのお客様よりご要望のありました、テキスト文字列を対象にして、コピー&ペースト操作の許可、拒否の特別な制御ができるようになりました。

このような利用シーンを想定しております。

  • セキュリティの観点から、図や写真などのデータに関するクリップボード機能を利用したコピー&ペースト操作を利用拒否したい
  • しかしながら、テキスト文字のみコピー&ペーストを許可したい
  • さらに、テキスト文字列のコピー&ペーストの方向(接続元からリモート先、リモート先から接続元デバイス)を片方向に限定したい
  • テキスト文字列にコピー&ペーストを制限し、かつ、その方向も指定できますので、組織内のネットワークからの不正なデータ漏洩や不正プログラムの侵入を防御することと、操作の利便性の両立が図れることになりました。

2. 読み取り専用ドライブリダイレクト(Version 19.4より)

読み取り専用ドライブリダイレクトにより、ドライブをクライアントからサーバーにリダイレクトできますが、読み取り専用アクセスに制限されているため、データ漏洩が軽減されます。この機能は、既存のドライブリダイレクト機能を拡張し、ドライブリダイレクトで作業するときにより利便性とセキュリティ維持の両方を両立する操作環境を提供します。

3. Nutanix AOS 6.10LTS, および AOS 6.5LTSのサポート

Parallels RAS Version 20環境の構築時に、プロバイダー設定として、Nutanix AOSを選択でき、仮想マシンのリンククローン展開のサポートを開始いたしました。HALBの稼働環境も、同様にサポートをいたします。大規模なVDI/SBC構成でも、構築時の展開や運用後のメンテナンスに対して、便利にお使いいただけるようになりました。

< Parallels RAS Version 20管理者ガイド(英文) プロバイダー定義より>

Nutanix社様のサイトでも、Parallels RAS環境の構築ガイドが公開されております。ご参考にしてください。

4. Parallels RAS Version 20 システム要件の変更

Parallels RAS環境を構成する際に利用できるWindows OSのバージョンに変更がありました。

新) Parallels RAS管理コンポーネントである、コネクションブローカーやSecure Gateway、プロバイダー定義では、Windows Server 2016以降、Windows Server 2022をサポートします。 ただし、Windows RDSH環境、Parallels RAS Guest Agentや、Parallels RAS Remote PCを構成する場合のみ、Windows Server 2012R2をサポートします。Windows Server 2008R2はサポートから外れましたので、ご注意ください。

また、Windows 10、Windows 11のみサポートとなりましたので、それ以前のWindowsクライアントOSをお使いの場合は、システム要件から外れておりますので、更新の場合はご注意ください。

Parallels RAS Version 20システム要件(英文)>

5. 接続元デバイスのローカルアプリケーションと、リモートアプリケーション起動の統合

Parallels Client を介して、RAS環境にリモート接続をいたしますが、公開されたアプリと一緒にローカル アプリケーションを、公開定義のリストに加えることができるようになり、利用者は、そのインターフェイスから、ローカルアプリケーションとリモートアプリケーションの両方にシームレスにアクセスして起動できる機能が実装されました。これにより統一された合理化されたエクスペリエンスを提供できます。

接続元のローカルPCより、[スタート] – [プログラム]メニューから起動操作することなく、仮想アプリケーション起動と同じ操作UIから、ローカルアプリケーションを起動できますので、利用者がParallels Client UIから直接必要なすべてのツールにすばやくアクセスすることで、より効率的に作業できます。ローカルPCのハードウエアリソースを使用した方が、ユーザービリティを向上することのできるWeb会議ツールや、動画などのグラフィック関連アプリケーションなどを利用されることを想定しております。

6. AWS アベイラビリティ ゾーン (AZ) への仮想マシン (VM)を展開可能に

システム管理者は、同じテンプレートバージョンから同じホストプール内に、単一のリージョン内の異なる AWS アベイラビリティ ゾーン (AZ) に仮想マシン (VM) をクローン展開できるようになりました。このサポートは、システム高可用性の展開に不可欠であり、VMが同じAWSリージョン内の複数の物理的に別々の場所に分散されるようにします。

複数のアベイラビリティゾーンを活用することで、ダウンタイムのリスクを大幅に軽減し、インフラストラクチャのフォールトトレランスを向上させることができます。あるゾーンで停電が発生した場合、サービスは別のゾーンでもスムーズに実行され続け、中断を最小限に抑え、ビジネスの継続性を維持できます。この機能は、AWS がホストする環境で最高レベルの信頼性とパフォーマンスを約束します。

7. Parallels RAS 製品ライフサイクル(メーカーサポートの提供期間)定義の更新

Parallels RAS Version 20のリリースにともない、製品の旧バージョンのサポート期間が更新されました。

日本国内の運用中のお客様では、Version 19をお使いのお客様が多数いらっしゃると存じます、 バージョンアップの作業についてご検討いただけますと幸いです。

インターネットを接続されている環境をお使いの場合は、自動更新を有効に設定されている場合は、最新バージョンのインストールを促すポップアップが、Parallels RAS管理コンソール操作されている場合に出力いたします。画面に従い、コネクションブローカーより更新いただき、Secure Gatewayやエージェントモジュールを更新いただけます。

また、製品ダウンロードサイトより、最新のVersion 20製品インストールモジュールをダウンロードいただき、マニュアル操作にて上書き更新することも可能です。

なお、システムのバージョンアップについては、事前に運用中の環境のバックアップを取得いただき、作業を着手いただくことを、強く推奨いたします。

Parallels RAS 製品ライフサイクル(サポート期間)定義

言葉の定義: Release Date(発売開始)、EOM(製品保守・修正の終了)、EOS(製品メーカーサポートの終了)

ProductVersionRelease DateEOMEOS
Remote Application Server18 (LTS)16 Dec 202016 Jun 202316 Dec 2023
Remote Application Server19 (LTS)28 July 202228 Feb 202528 July 2025
Remote Application Server20 (LTS)30 Oct 202430 Mar 202730 Oct 2027

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