
Parallels RAS 21.0 がリリースされました。このバージョンでは、セキュリティ、拡張性、そして、よりシームレスなユーザーエクスペリエンスの向上に重点を置いた幅広い新機能と機能強化が提供されます。
特に、このリリースでは、次の 3 つの主要なポイントに焦点を当てています。
- Parallels RAS システム管理運用の簡素化
- リモートアクセス時の制御を強化
- エンドユーザーのリモート操作に対する満足度のアップ
以下に、より具体的な内容を解説いたします。
1. Parallels RAS v21.0を構成するプラットフォーム群の拡張
1.1 Windows Server 2025 Hyper-V が 利用可能に
Parallels RAS 21.0 が使用できる仮想基盤(ハイパーバイザー)が拡張され、スタンドアロン環境とクラスター環境の両方を含む、Hyper-V プロバイダーとしての Windows Server 2025 の公式サポートが追加されました。これにより、最新の Windows Server バージョンへスムーズにアップグレードできます。Parallels RAS 21.0 では Hyper-V プロバイダーのサポートは、Windows Server 2016 から Windows Server 2025 までとなります。
1.2 Secure Gatewayサーバーを経由したユーザーポータル利用時の拡張性とパフォーマンスが向上
ユーザーポータル(HTML 接続 = Web クライアント使用)を利用したリモート接続において、Secure Gateway サーバーでは、マルチスレッドアーキテクチャが採用されました。これにより、ユーザーのログオン処理の性能が向上します。そのため、インフラストラクチャ上の Secure Gateway サーバーの必要台数、リソースなどの削減が見込めます。 ただし、Secure Gateway サーバー1台あたりの同時接続数上限である 1,200 コネクションに変更はありませんので、ご注意ください。
1.3 HALB の機能強化アップデート
HALB アプライアンス(Parallels RAS 専用ロードバランサ)は、Linuxベース(Debian)の仮想マシンを使用しております。今回のアップデートにより、使用する Debian のバージョンを新しくし、内部アーキテクチャを更新しました。これにより、従来バージョンと比較して、信頼性やセキュリティなどの向上を実現します。
1.4 FSLogix統合アップデート
FSLogix 25.06 が、Parallels RAS 21.0 のサポート対象バージョンに追加されました。この新しい FSLogix バージョンは、Parallels RAS 環境のなかで、サイトやホストプールへの配布時に簡単に選択できるようになりました。

1.5 サポートされている接続元デバイスのオペレーティングシステムを追加更新
接続元クライアントにインストールするParallels Clientモジュールのデバイス対応も拡張しました。Parallels RAS 21.0では、Mac OS Tahoe 26, iOS/iPad OS 26, Android 16を対応リストに追加しました。
2. システム管理者向け操作性を向上
Parallels RAS 21.0 では、システム管理を簡素化し、管理操作によるエラーを削減し、運用効率を向上させるために設計された、システム管理者向けのいくつかの改善が導入されています。
2.1 マルチドメイン環境環境におけるプロビジョニング(展開:クローニング)のための
OU トラバーサル機能の改善
マルチテナントまたはマルチドメイン環境を管理する大企業で、複数の子ドメインを持つ Active Directory フォレストを構成されているケースは、珍しくありません。
このような組織では、子ドメインごとに個別の RAS インフラストラクチャを展開する場合、OU ブラウジングとドメイン参加をきめ細かく制御することが必要となります、複雑な Active Directory 環境では、より柔軟で信頼性の高い VDI の展開(プロビジョニング) プロセスを可能にしなければなりません。システム運用管理者は、大規模な Active Directory フォレスト環境では、設計、運用のためのコスト、複雑さ、および継続的なメンテナンス時のオーバーヘッドが増加してしまいました。
この課題を解決するために、Parallels RAS 21.0 は、OU ブラウジングとドメイン 参加をきめ細かく制御することを可能にしました。これにより、VDI クローニング(仮想マシン展開処理:プロビジョニング)中の管理負荷とエラー率を低減し、複雑な Active Directory 環境でも、より柔軟で信頼性の高い VDI 展開が可能になりました。

2.2 古い Parallels RAS リモート Guest エージェント、Parallels RAS RDSH エージェントを使用したテンプレートの作成を禁止する
接続先となる仮想マシンにインストールされる RAS エージェントが古い場合、クローン展開に使用する新規のテンプレート作成時や、テンプレートバージョンの更新を防止します。システム管理者には、テンプレート作成更新処理を進める前にエージェントを更新するよう通知されるため、クローン展開後に各マシンでの自動アップグレードの必要性が減り、潜在的な問題を最小限に抑えることができます。

2.3 テンプレート作成時にドメイン資格情報を確認する
テンプレート作成時にドメイン資格情報の検証を追加し、クローン作成の失敗を防止します。資格情報が正しくない場合、テンプレート作成はブロックされるか、RASprep(Parallels RASオリジナルのOS初期化機能)の場合は即時通知が送信されます。これにより、管理者は問題を早期に回避し、クローン作成の失敗を回避できます。

2.4 孤立した仮想マシンテンプレートホストを、既存のホストプールに再割り当てする
孤立したテンプレートホストをホストプールに再割り当てするための UI オプションを提供します。これにより、管理者は異常によって失われたクローン展開済みのホストマシンを、削除して再作成することなく迅速に復旧できます。RDSH および AVD ホストプールの場合、孤立した RDSH ホストの関連付けは管理者の介入なしに自動的に実行されます。VDI ホストプールの場合、孤立したホストをホストプールに再割り当てするオプションが、コンソール操作により提供されます。

2.5 ユーザーポータル(Webクライアント)の URL を新しいファームにリダイレクトする – URL リダイレクトポリシーの実装
Parallels RAS ユーザーログインポータル(Web クライアント利用時)に加わった新しいポリシーベースの URL リダイレクト機能により、例えば、一時的に新環境へ移行するために、新旧2つの RAS のアクセス先が存在する状況などで、片側をメンテナンス状態にすると、利用ユーザー側で誘導先のポータルを変更しなければならない状況が発生した場合は、以前はユーザーが、手動での接続元デバイスにてブックマークを更新する必要がありました。
新しく実装されたポリシーベースの URL リダイレクト機能により、利用可能な環境の URL に自動的にリダイレクトできるようになりました。これにより、システム運用に関するサポートコールの削減が期待できます。

3. 接続元デバイスでのリモート操作機能の拡張
3.1 Windows PC デバイスから、公開されたデスクトップの再接続時に描画済みのデスクトップウィンドウを表示し続けることで、ユーザーエクスペリエンスを改善
Parallels Client for Windows より公開デスクトップを利用中のリモートセッションの接続が中断された場合、Parallels RAS 21.0 では、利用ユーザーへ公開デスクトップでは接続が回復中であることが明確に視覚的にわかるようになりました。
このアップデートは、v20.2.1 で実装された公開アプリケーション向けに導入されたスムーズな再接続動作を拡張し、公開デスクトップにも装備したものとなります。
再接続エクスペリエンスは、ネットワーク中断後のセッションの復元中はデスクトップがグレー表示されるなど、明確な視覚的フィードバックが出力されます。これにより、ユーザーは再接続操作を意識せずに、わかりやすく快適な利用体験を得られます。

3.2 Windows アプリ – Microsoft Azure 仮想デスクトップ (AVD) セッションのサポート
Parallels Client for Windows が AVD リソースへの接続に Microsoft Windows アプリをサポートするようになりました。これは、2026 年 3 月のリモート デスクトップアプリの廃止に先立ち、Microsoft のロードマップに沿って、中断のないアクセスを確保するためです。
Microsoft による Windows 用 Microsoft リモート デスクトップ クライアント (MSI) のサポートが 2026 年 3 月 27 日以降終了するため、Parallels Client for Windows では Microsoft Windows アプリによる AVD 上の仮想マシンリソースへの接続がサポートされます。これにより、Microsoft のロードマップとの互換性が確保され、シームレスなユーザー エクスペリエンスが維持され、お客様は古い Microsoft リモート デスクトップ クライアントの今後の廃止に備えることができます。

3.3 Windowsデバイス向けクリップボード履歴とクリップボード同期の統合
Parallels RAS 21.0 では、仮想マシン側のクリップボード操作を、クライアント側のクリップボード履歴とクリップボード同期に表示するように設定できるようになりました。これにより、クリップボードの内容をクライアントのローカルクリップボード履歴(Ctrl + V)で利用できるようになり、Windows デバイス間でシームレスに同期されるため、ユーザーエクスペリエンスと生産性が向上します。
3.4 モバイルデバイス(iOSまたはAndroid)へのローカルリソースへのリダイレクト機能の強化
Parallels RAS Ver.21 では、モバイルデバイス(iOS または Android)クライアントにおいて、改善されたローカルリソースへのリダイレクトコントロールのメリットをさらに強化して提供します。サウンド、クリップボード、カメラ、その他の設定用の直感的なインターフェイスが提供され Windows 版 Parallels Client モジュールを使用する PC デバイスと同等になります。
4. セキュリティ機能の拡張
Parallels RAS 21.0 では、資格情報を保護し、認証コンテキストを強化し、管理者にさらにきめ細かな制御を提供し、全体的なセキュリティ体制を強化するように設計された、いくつかの新しいセキュリティ機能が導入されています。
4.1 条件付き RADIUS 自動化
RADIUS 認証の方法を異なるユーザーに動的に割り当てることで、ユーザーのアクセスコンテキスト(アクセス条件)にもとづいて MFA(多要素認証)を、Parallels RAS 管理コンソールから、きめ細かく制御できます。これにより、認証の定義設定の複雑さが軽減され、リソース使用が最適化されます。

4.2 セキュリティ強化 – オペレーティングシステム(OS)の資格情報ストアを使用する
Parallels RAS 21.0 と最新バージョンの Parallels Client for Windows の組み合わせは、接続元 Windows デバイスローカル上の Windows 資格情報マネージャーと統合する機能を実装し、 接続元デバイス上で、Parallels RAS 環境へログインするユーザーの資格情報をより安全かつシームレスに保存および管理する方法を提供します。
4.3 多要素認証機能の強化
Parallels RAS 21.0 では多要素認証も強化され、接続元デバイスのパブリック IP アドレスを取得し、MFA認証時に RADIUS 属性として渡すことができるようになりました。これにより、IP ベースのセキュリティポリシー適用やアクセス制御、Web接続全体にわたる監査機能の強化が可能になります。
パブリック IP アドレスは、Parallels の新しい IP ルックアップサービス、サードパーティの IP ルックアップサービス、またはオンプレミス/セルフホスト型のルックアップサービスを選択することで取得できます。
4.4 きめ細やかなクリップボードリダイレクト制御の実装
Parallels RAS 21.0 では、クリップボードのデータタイプの制限が拡張され、プレーンテキスト、リッチテキスト形式(RTF)、画像といった一般的なフォーマットがサポートされるようになりました。同時にデータフローの方向を正確に定義できます。この機能強化により、管理者はクリップボードを使用したデータ転送ポリシーをより詳細に制御できるようになり、RAS ポリシーを通じてユーザーレベルのより正確な制限を適用できるようになり、全体的なセキュリティが強化されます。

5. コストとアクセス性
5.1 [Azure/AVD] – Cost Insights の進化
Parallels RAS 21.0 では、新しい Cloud Cost Insight ダッシュボードを通じて、企業はクラウドコスト管理において決定的な優位性を獲得できます 。この付加価値の高い強力な機能は、Azure Virtual Desktop の使用状況を完全に可視化し、IT 部門の意思決定者が支出を管理し、コスト削減の機会を特定し、Parallels RAS のコスト価値を検証することを可能にします。
5.2 ユーザーポータル/Web クライアント – WCAG 2.2 レベルAA 準拠
Parallels RAS ユーザーログインポータルと Parallels RAS Web クライアントは、Web コンテンツアクセシビリティガイドライン(WCAG)2.2 レベル AA などに準拠するために、更新された Voluntary Product Accessibility Template(VPAT)2.5ガイダンスにもとづいて継続的に評価・更新されています。 これには、更新されたアクセシビリティ適合レポートを生成し、視覚または運動障害を持つユーザーをサポートするための主要な機能強化を適用して、多様な企業環境のすべてのユーザーが Parallels RAS を公平かつ快適に使用できるようにすることが含まれます。
以上
Parallels について
Parallels は、ビジネスユーザーと個人が必要とするアプリケーションやファイルをあらゆるデバイスとオペレーティング システムで簡単に使用、アクセスできるようにする、クロス プラットフォーム ソリューションの世界的なリーダー ブランドです。Parallels では、現在最高クラスのテクノロジーを Windows、Mac、ChromeOS、iOS、Android、クラウドから利用できるよう、お客様をサポートします。Parallels は、企業や個人のお客様が、シンプルかつ費用対効果の高い方法で、場所や時間にとらわれずアプリケーションを使用できるようにすることで、エンジニアリングとユーザー エクスペリエンスに関する複雑な問題を解決します。Parallels は Alludo™ ポートフォリオの一部です。詳細については、www.parallels.com をご覧ください。
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リモートアクセスをオールインワンで実現
