ネイティブ RDS および Azure Virtual Desktop (AVD) に Parallels RAS を使用することによる定量化されたエンドユーザー エクスペリエンスのメリット

ネイティブ リモートデスクトップ サービスと Azure Virtual Desktop (以降 AVD) に Parallels RAS® を使用する利点について紹介する情報のみを読むことと、その機能をご自身での実体験で理解することはまったく別のことと考えます。

このブログ投稿では、RDS と AVD に関連した Parallels RAS の利点と機能について説明します。ここから詳細をお読み頂き、是非 Parallels RAS の無償トライアルをお試しになられて、その優位性をご体験頂くことをお勧め致します。

リモートセッションでのパフォーマンスの測定

リモートセッション内のパフォーマンスに関する分析データ (テレメトリデータ) を収集すると、必要な CPU、メモリ、ディスク I/O の使用状況、およびリソースについての洞察が得られます。ただし、実際のユーザー エクスペリエンスについての洞察が、そこから常に提供される訳ではありません。

実際に体感されるエンドユーザー エクスペリエンスを確認することで、その違いを理解することができます。EUC スコアは、オンプレミスとクラウドの両方のリモートおよびデジタル ワークスペースで体感されるエンドユーザー エクスペリエンスを測定および定量化することで、まさにこの点を確認できます。分析データと記録されたユーザー エクスペリエンスの両方を 1 つのビューに結合することができます。

このブログ投稿では、ネイティブのリモートデスクトップ サービスと AVD に対して追加される利点と、強化されたエンドユーザー エクスペリエンスを提供する Parallels RAS の 2 つの具体的な機能の内容、つまり Parallels RAS 高速ファイル情報取得 (Accelerated File Retrieval) 機能に基づいたローカルファイルとフォルダ列挙の高速化と、Parallels RAS Universal Printing によるリダイレクトされたプリンターへのアクセスの高速化について説明します。

EUC スコアのテスト方法の紹介

EUC スコアにはさまざまな基準が含まれます。EUCScore.com で説明されているように、スコアは次の要素に基づいて結果算出されます。

「仮想デスクトップやリモート アプリケーションを操作する場合、ほとんどのユーザーにとって重要な項目として、リモート操作の使いやすさとパフォーマンスの観点がいくつかあります。例えば、高速ログオン、アプリケーションのロード時間の短縮、エンドポイント ディスプレイの高いリフレッシュレート、優れたグラフィック品質、目に見えないユーザー インターフェイスの応答の遅延時間などです。さらに、すべての一般的なメディア形式のサポート、および高いセッションを維持できるという信頼性もあります。

この理想に近いシステムだけが、さまざまな機能やフォーム ファクターを備えた複数のエンドポイント デバイスを通じて、ユーザーが自然にリモートアクセスによるデジタル ワークスペースを利用できるようになります」EUCScore.com

Parallels 製品を担当するコーレル社幹部の Benny Tritsch は、Parallels RAS を使用したエンドユーザー エクスペリエンスを、ネイティブ リモートデスクトップ サービス (RDS)、およびネイティブ AVD で運用される仮想デスクトップ環境と比較する一連のテストを実施しました。

Parallels RAS パフォーマンス テストの実行

この一連のテストでは、リモートセッション内からローカルファイルおよびフォルダーにアクセスする時、およびリモートセッション内からローカルプリンターにアクセスする時のユーザー エクスペリエンスを対象としています。

セッションは、Parallels RAS 機能を有効にした場合と有効にしない場合で実施されました (ネイティブのリモートデスクトップ サービス (RDS) や Azure Virtual Desktop (AVD) と同様のエクスペリエンスを作成します)。

すべてのテストは、Standard_D2s_v5 サイズに基づいて Azure 上で実行されているセッションホスト サーバーを使用して実施されました。このサーバーには、2 つの CPU、8 GB のメモリ、Premium SSD ベースの 128 GB のディスクが含まれています。

ローカルファイルとフォルダーの列挙の高速化

Parallels RAS には、接続元デバイスのローカルファイルとフォルダーの仮想環境側の画面への列挙を大幅に高速化する Accelerated File Retrieval (高速ファイル情報取得) と呼ばれる機能が含まれています。この機能は、(標準の RDP と比較して) 通信を最適化し、フォルダー構造のキャッシュを追加します。

この最適化は、Windows 版および macOS 版 の Parallels Client モジュールの両方に適用されます。また、シングルセッション モードとマルチセッション モードの両方の公開デスクトップと公開アプリケーションにも適用されます。

Parallels RAS により、ローカルファイルへのアクセスが 60 倍高速化

冒頭で述べたように、リモート操作を体感されるエンドユーザー エクスペリエンスの実際の違いを確認することで、テスト結果と分析データが確実になります。実際、このテストを実施した結果は目に見えて明らかでした。

Parallels RAS 高速ファイル情報取得機能を使用しない場合、ユーザーは接続元ローカルクライアントに保存されているフォルダー内のすべてのコンテンツにリモート操作画面から適切にアクセスできるようになるまで 60 秒以上待つ必要があります。

ただし、Parallels RAS 高速ファイル情報取得機能を有効として使用する環境では、同じプロセスが完了するまでに約 1 秒で済みました。

ユーザーが体感するユーザー エクスペリエンスをだけでなく、Parallels RAS 高速ファイル情報取得機能により、同じユーザー操作アクションによって消費される仮想側のリソースが少なくなるため、マシンに対する同時接続ユーザー数の密度を高めることもできます。Azure のようなパブリッククラウド プロバイダーを使用すると、組織はクラウドの消費コストを節約できる可能性があります。

EUC スコア ビジュアライザ ツールは、収集データに対して特定の範囲データをズームインする機能や、結果を並べて開くオプションなど、分析データや記録されたユーザー アクティビティとともにエンドユーザー自身が体感したエクスペリエンスの内容を提示することにより、テストの結果をわかりやすく論理的な方法で比較を並べて表示します。

次のスクリーンショットは、動作中の EUC スコア ビジュアライザ ツールを示しています。

以下の表には、eucscore.com で公開されているすべてのインタラクティブ テスト結果へのリンクが含まれています。

ローカルファイルとフォルダーへのアクセス

Parallels RAS 高速ファイル情報取得機能とネイティブ RDS および AVD エクスペリエンスの比較結果

テスト結果は、ネイティブのリモートデスクトップ サービス (RDS) または Azure 仮想デスクトップ (AVD) のエクスペリエンスと Parallels RAS 高速ファイル情報取得機能の利用を比較した場合、Parallels RAS が明らかに優れていることを示しています。

重要なポイントは、次の通りです。

  • ローカル ファイルとフォルダーの列挙が 60 倍高速
  • 平均して、CPUキューの長さが 50 % 短縮
  • 平均して、必要なディスクIOPS 25 % 削減

高速ファイル情報取得機能および Parallels RAS に組み込まれたその他のユーザー エクスペリエンス強化の詳細については、こちらのブログ記事 (https://www.parallels.com/blogs/ras/azure-virtual-desktop-enhancement/) をご参照ください。

リダイレクトされたプリンターへの高速アクセス

Parallels RAS は、リモートセッションでの印刷を処理する包括的な方法であるユニバーサル プリンティング テクノロジーを提供します。仮想化されたリモート環境での印刷エクスペリエンスを向上させるように設計されています。

その機能には、圧縮、多機能サポート、パフォーマンスの向上、最適化されたユーザー エクスペリエンスなどがあります。このテストでは、切断されたセッションに再接続したときに、リダイレクトされたプリンターにアクセスするのにかかる時間を具体的に測定します。これは、公開アプリケーションおよびデスクトップを扱う場合の、非常に一般的なシナリオです。

Parallels RAS により、リダイレクトされたプリンターへのアクセスが 5 倍高速に

ある機能がエンドユーザーの特定のアクションの加速に顕著な違いをもたらすかどうかという質問に答えるには、体感されるユーザー エクスペリエンスを調査することが重要であると確信しています。印刷機能のテストの結果、体感されるユーザー エクスペリエンスに大きな違いがあることがわかりました。

Parallels RAS を使用しない場合、Universal Printing が 8 台のプリンターにアクセスするには、再接続時に 16 秒かかります。Parallels RAS Universal Printing を使用すると、同じ操作に 3 秒もかかりません。

Parallels RAS Universal Printing を使用するシナリオでは、消費されるリソースが少なくなり、接続先環境に対するユーザーの同時利用数が増加し、最終的にはコスト削減につながる可能性があります。

これらの側面に加えて、Parallels RAS Universal Printing は、サードパーティ アプリケーションが起動前にプリンターを使用可能にする必要があるという特定のシナリオの問題も解決します。このシナリオでは、特定のサードパーティ アプリケーションが起動に失敗したり、ローカルプリンターが再度リダイレクトされると再起動が必要になったりする可能性があります。このような出来事は、エンドユーザーが認識する全体的なユーザー エクスペリエンスに大きな影響を与えます。

EUC スコア ビジュアライザは、分析データや記録されたユーザー アクティビティとともに体感されたエンドユーザー エクスペリエンスを表示することで、この結果を包括的に表示します。これには、特定の条件においてズームインして並べて比較するオプションも含まれます。

次のスクリーンショットは、動作中の EUC スコア ビジュアライザを示しています。

以下の表には、eucscore.com で収集および公開されたすべてのインタラクティブ テスト結果へのリンクが含まれています。

ローカルプリンターへのアクセス

Parallels RAS Universal Printing とネイティブ RDS および AVD エクスペリエンス

テスト結果は、ネイティブのリモートデスクトップ サービス (RDS) または Azure 仮想デスクトップ (AVD) のエクスペリエンスと Parallels RAS Universal Printing を比較した場合、Parallels RAS が明らかに優れていることを示しています。

Parallels RAS を使用すると:

  • プリンターは 2 倍の速さで再接続されます
  • ディスク読み取りバイトのピークが 89 % 減少
  • ディスク書き込みバイトのピークが 27 % 減少
  • ディスク IOPS のピークが 82 % 低下

この機能および Parallels RAS Universal Printing が提供する他のすべての機能強化の詳細については、こちらのブログ記事 (https://www.parallels.com/blogs/ras/rdp-printer-redirections-issues/)、および次のビデオ (https://www.youtube.com/watch?v=512RbNlKofM) をご覧ください。

Parallels RAS に含まれるこれらの機能やその他の多くの機能を活用して、統合ワークスペースを通じて仮想アプリケーションとデスクトップのユーザー エクスペリエンスを向上させます。

Parallels RAS の製品機能や構成方法などを詳しくお知りになりたい場合は、弊社営業部ご相談窓口 (ras-jp@parallels.com)、あるいは Parallels 製品販売パートナー各社へ是非、ご相談ください。または、Parallels RAS 無償トライアルにお申込み頂き、是非ご体感ください。

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